洋服豆知識【3】|堂島店(大阪)
本日は『カシミア』について、書かせていただきます。
冬が近くなるにつれて、カシミアという言葉をよく耳にされる方も多いかと思いますが、今ではカシミアはニットやコートなどの高級衣料の代名詞となっています。
このカシミアが世間に広まったきっかけは、ナポレオンが遠征の手土産として、自身の妻に持ち帰ったことが始まりだと言われています。
そして妻が気に入ったことから、ヨーロッパを中心に次第に認知されるようになりました。
カシミアとは名前の通りで、カシミア山羊から採れる毛のことを指しています。
カシミア山羊の体には柔らかな産毛が密集するように生えており、その産毛を上から覆うように硬い毛が生えているのですが、この柔らかな産毛こそがカシミアと呼ばれています。
繊維は羊毛(ウール)よりも細くて柔らかで、なおかつ軽いために着心地は非常に良いものとなっており、さらに上品な光沢感も有しています。
このことから、カシミアは常に人気がある素材なのですが、一頭のカシミア山羊から採れる毛は実際ごく少量しかありません。
オーバーコートを作るためには約30頭分ものカシミアが必要なこともあり、人気と同時に希少価値も高いものとなっています。
『繊維の宝石』と呼ばれているのも、この所以からではないでしょうか。