名言集 ②|京都本店
英国の古くからのテーラーはよく言う「新調仕立てのスーツほど野暮ったい」と。新しく仕立てたスーツを着ているのが誰かにわかってしまった場合、それはテーラーである自分達の失敗だと考えるそうです。
新しいスーツは、身体の各関節のシワが何一つなく、とても不自然に見える。人がスーツに袖を通し動く事により、その人の体型や節々の高さに入ったシワが柔らかなドレープを描き、とても自然で、生きた素材の温かみを伝えてくれる。その瞬間、スーツは「生まれる」から「生きる」にかわる。手を抜きプレスをしていないのは別とし、その美しい自然なシワを持ったスーツこそが最高級の一着であろう。
昔の英国貴族は召使いに自分と同じ体格の人間を雇い、新調したスーツを先に着させて良い頃になった時に自分が袖を通した とも言われています。
「新調したスーツをシャワーの時以外、寝る時も含め三日三晩着続けた」と言う英国人もいれば、アメリカのミュージカル界の巨星 フレッド・アステア が言った一言が今もなお伝説に残っている。
「あのカッチリとしたとり澄ました感じを消すために、壁に何度か叩きつけてやったものだ」と。