メイドインジャパン|京都本店
イタリアから帰国して、過去にないほどの『時差ぼけ』に苦しむこの2日間(笑)、びっくりするぐらい寒い平日だというのにたくさんのお客様に来店いただき本当に感謝です。
昨日はたまたまか30代のお若い3人のお客様から同じような質問をいただきました。
それは…
「日本製のしっかりしたいい生地はありますか?」というもの。
聞けば3名ともオーダー体験者で、イタリア製の生地などもたくさん体験された中で、最終的に日本製のいい生地の良さに気付いてらっしゃる様子。
当店でも人気が高いのはやはりイタリアや英国の服地ですが、「日本製の素晴らしさ」に気づいてくださっているということで、「もと生地商社出身」の私としては本当に嬉しい一言でした。
というのも、御幸毛織や橋本毛織など国内メーカーの物づくりって実は本当にすごいんです。
正直言って…
色だしやデザイン性は…イタリアやイギリスに分があると思います…(ごめんなさい)
それは、日本製は「売れる柄」だけ作ろうとしているからだと思います。
イタリアや英国の生地には、見ているだけで楽しくなるような色柄や、糸の細やかさと織り組織からの「遊び心」がたくさんありますし、染色の発色面での魅力など見ているだけで楽しくなります。
それでは日本の技術は何で勝っているのか・・・?
昔から思ってきたのですが、細番手の素材を問わず物性面の安定性をコントロールするノウハウ(技術)は世界一といっても過言ではないと思います。
Super180’Sなど湿気の多い時期の日本では「細すぎる」といわれる素材を使ってすごく安定した素晴らしい服地を織りあげる技術など感動モノです。
私が以前いた生地商社は紡績系の生地商社だったので、自社で糸から設計した織物やインポート、毛織物の本場・愛知県一宮の各毛織メーカーの服地をたくさん扱いました。
ゼニアのように美しく、英国服地のように安定した織物を作る技術がしっかりあるのです。
今、日本のメーカーの多くは中国とコスト競争をしたりする中で、ノウハウの生き字引のような経験豊富な技術者をリストラし・・・短期的な利益に走ってしまっているところも多いと聞きますし、実際日本製の意味がないような残念なクォリティも増えました
実は昨年末ごろから、日本の技術力を守り活かそうとする毛織会社数社と「これぞメイドインジャパン」と世界に誇れるような歴史と脈々と受け継がれた技術者のノウハウがたくさん注ぎこまれた服地の取り扱いを強化することにしました。
しっかり説明して、いいと思っていただいた方に責任をもってお仕立てさせていただこうと思っています。
こんな素材を扱うということは何年か後に『やっぱりこのスーツが一番いいなぁ』と思ってもらえると確信するから…
日本製の素晴らしさを話し出したら…きりがないかも??ご興味のある方は、少し時間に余裕をもって是非是非京都ビスポークにいらしてくださいね。
3名のお客様…日本で服地に携わったものとして心からお礼申し上げます。
オーダースーツ・オーダーシャツ専門店【京都ビスポーク】ホームページ