スーツ好きの人なら聞いた事のある「ションヘル」とは?|京都本店
先日、日本のハダースフィールドと言われている、愛知県「尾州」(愛知県一宮市周辺地域)の毛織工場に見学に行かせて頂きました。
尾州とは、愛知県・西部の尾張地域。古くより繊維産業で栄えましたが、明治時代の濃尾大地震で大打撃を受け、それ以降、綿に替わってウールを全国に先がけて採り上げられました。先人の方々のたゆまぬ努力があり毛織物の「尾州」として全国に知れわたり、その生産は全国一の規模となっています。そして、世界的に知られるイタリアのビエラやプラートとも比較検討されるようになっています。
街の機織り工場です。
その昔、電気の設備が今のように整っていなかった時代、工場全体を少しの電力で明るくする為に、三角屋根(ノコギリ屋根)の一辺を全面ガラス窓にしていたそうです。 この地域でこの屋根を見ると、たいていは機織り工場のようです。
題にもなっております「ションヘル」とは、生地を織るシャトル織機の名称です。
通称、ションヘル織機と言います。(写真の中央奥。 イメージは、鶴の恩返しに出てくる機織り機の機械式の物)
シャトルとは、(写真)、織物を織る時に、経糸(たていと)の間に緯糸(よこいと)を通すのに使われる道具を言います。このシャトルが織り機の左右に飛び交い横糸を掛けます。尾州で使用されている国産のシャトル織機がションヘル社型のシャトル織機と似ているので、いつのまにかこう呼ぶ様になったそうです。
ションヘル織機は、一つ一つの動作が大きいが故に、ガチャンガチャンと作動時の音もとても大きい。
動作が大きい分、織りあげるスピードも高速織機と比べてとても遅く、織りあげられる生地は、一日におよそ8m前後。(スーツ1着に使う一人当たりの生地の長さは、およそ3,2m)
今では生産効率を考え、横糸を空気圧で飛ばす高速織機が支流ですが、なぜションヘルが今もなお愛され続けているのでしょうか。
それはションヘルが低速回転で生地を織る為、人の手で加減をしながら優しく織り上げたように横糸が柔らかく入り、縦糸に余計なテンションをかける事なく織る事が出来るからです。 織りあがった生地は、綺麗に柄も出て非常に柔らかく滑らかです。
この織り機を修理できる店も職人も年々減ってきており一桁台になってきている今、日本全国に十数台しか残っていないと言われていますので、織られた生地は希少性が高く、同じクオリティのものと比べ高値で取引されています。
こちらの板状に穴があいている物は、生地の端に付いている“生地耳”を織る際の紋紙です。
生地耳には、ブランドネームや生地のクオリティ、生産地などが織られています。
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