イタリア出張こぼれ話2|京都本店
ちょっと時間が開いてしまいましたが、先月のイタリア出張のお話を…
ナポリのネクタイ専門店マリネッラのマウリツィオ・マリネッラ社長のご厚意で紹介頂いたサルト『サルトリア・ピロッツィ』を訪問させて頂いた時のお話です。サルトリアピロッツィは仕立屋の聖地ナポリでも最高峰と言われるサルトリアです。
ナポリのサルトはお店を構えるというより、この様な立派な建物の一室でやっていることが多く、サルトリアピロッツィも歴史あるこの建物の中にあります。
わざわざ同行いただいたマリネッラの番頭さん??が、使い方をレクチャーしてくれた凄く古いエレベーター!!もちろん現役です。正直言って「落ちるのではないか」と結構怖かったです(笑)
そんなビルの一室にサルトリア・ピロッツィはあります。
このドアを開けると何とも言えないゆっくりとした時間を感じる空間が広がります。
テーラールームでは上着担当の職人さんが黙々と作業しています。
吊り下げられた蛍光灯の感じ…仕立て職人だった祖父の仕事場を思い出させてくれました。
こちらの部屋ではヌンツォさんと弟さん(右)が仕事されてました。
ピロッツィさんの素早く、そしてとても美しく流れるような仕事…かっこいい。
ちなみにこの生地はドラッパーズでした。
こちらはパンツ職人さん。なんと9歳から針を持ち65年のキャリアだそう。
ナポリのパンツは釦フライにパンチェリーナ。とても美しい仕事です。
いちばん興味深かったのが、日本では当たり前のように付ける前腿の膝裏について「そんなものいらねーよ!!」と一言(笑)。逆にパンツ持ちだしの釦には必ずシャツ用の貝ボタンで力釦としているそうで、日本では付けてない所が多いと話すと「なぜだ??」と・・・
気候の違い、物作りに対する考え方の違い…本当に興味深く為になる話をたくさんしてくれました。65年間日々積み重ねられた技術と経験・・・素敵です。
そんな仕立屋の聖地ナポリでも、職人の後継者不足は深刻なんだそうで、この職人さんが「私の後継者だよ」と紹介してくれたのは、意外にも若い女の子…。
キャリア65年の重鎮が信頼を寄せる彼女はとても筋が良いそうで、彼がかわいがるのも納得な、とても美しい仕事をされてました。
満面の笑顔で迎えて下さった憧れのサルト、ヌンツォ・ピロッツィさんと娘のジョヴァンナさん。
ちなみに写真の左奥のトルソーが着ているジャケットの生地、偶然にも私の着ているジャケットの生地と全く同じ物でした。
サルト界の重鎮で誰もが憧れるヌンツォさん。マニカカミーチャで仕立てた私のジャケットの肩周りをさわって「これは君の所の仕事か?」と聞かれたので「そうです」と答えると「いい仕事だ」と褒めて下さいました。
特に袖付けの部分とバスト辺りをじっくりご覧になってました。この時は一番「職人の目」を感じました。
マリネッラのマウリツィオ社長のお陰で実現した今回の訪問、本当にあたたかい交流をさせていただけて本当に幸せでした。そして、異国の地で受けた「おもてなし」に心底感動しました。
マウリツィオ社長はじめマリネッラの皆さん、そしてサルトリア・ピロッツィの皆さんは本当に温かく素敵な方々でした。有難うございました。
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