最高のお仕立て品 ~サルトリア・イタリアーノ~|銀座店
紳士の仕立服にはサビル・ロー(英国)にイメージされる「テーラーの仕立服」とフィレンツェ・ローマ(イタリア)にあるような「サルトリアの仕立服」に大別されます。両者は同じようなスーツでも嗜好が全く違いますが、お客様へは受注時の会話の中から決めさせて頂いております。顧客様の方からのリクエストによる作り分けは案外と稀でオーダーに来ていただく顧客様との会話が重要で、ゆえにビスポークテーラーと宣っております。つまり私共の感受性が肝になっています。
京都ビスポークのお仕立てはベーシックラインでも国内オーダー専用工房による総毛芯仕立てを標準としております。今回、その上位クラスである「サルトリアの仕立服」を国内工房にて追求したお仕立て品が仕上がってきたので紹介させて頂きます。
まず、この仕立てをお客様にお薦めしたのは、50歳代のお客様でお洒落に興味がおありの方だったからです。お客様は「単純に着心地がよく、他人から印象よく見られるスーツを銀座で誂えてみたい」と仰ってられました。自営されいて社のリーダーとしてここまで頑張ってきて、コロナ渦中とは言えども自分へのモチベーションとして良いモノを仕立てみたく銀座をぶらぶらしていたら、お連れである奥様が「なんかこの店良いんじゃない?」ということで外装の雰囲気だけで、よくわからぬ2階の当店へご来店頂きました。お客様へ不要なことは聞いたりしないのが私共のマナーですが、なぜかこれまでの人生の経過を自ら面白ろ可笑しく話されるのが印象的で私も変に感動してしまいました。よって、そのようなお方だったので古典的で拘りが多い服よりも陽気なイタリアンなスーツの方がお似合いになるんだろうなという私の感覚で、この仕立で行こうと決めさせて頂きました。
ジャケットデザインはオーセンティックなシングルブレスト2釦フロント。ゴージラインは割と斜めに下がるイタリアンなラインでやや襟巾は広め。ジャケットの前側に内包される芯地は本バス芯をハザシ留めにて据えられています。また、本バス芯の特性によってラペル(下襟)からフロントの第一釦の辺りは綺麗なロールを描き、頼もしいバストのシルエットが形成されることになります。この部分がこのジャケットの仕立の一番のアピールポイントです。ショルダーラインも本人様の撫で肩を活かして肩パット薄めにして斜度を意識した流れにしています。そのほうが肩苦しい雰囲気にもならず優しい輪郭にしてくれます。
服地はドーメルのアマデウス。縦横共に双糸使いのオールシーズン用を選ばれました。この服地は職人とのマッチングが良く仕立て映えも最高です。表面に漂う控え目の艶は奥行き感が強く、着用される本人様の品格を際立たせるエレガントな服として仕立て上がります。裏地はロイヤルブルーに仄かにグリーンがかったキュプラ裏地をシンプルに設定。胸裏部分は本台場仕立てにすることで胸周りの抑揚をさらに際立たせることを助長しています。脇下部分はキュプラ裏地を逆三角状にたたみ込むことで傷みやすい部分を補強し実用性も高い仕様となっています。
シンプルなデザインで高品質の表服地を日本で三本の指に入るオーダースーツ工房で仕立てた服。こんな服も京都ビスポークにはラインナップされております。興味がおありの方は4月26日㈪まで銀座店にて仮縫いなしでご注文いただけるゲージ服をご用意いたしております。是非この機会をご利用くださいませ。
銀座店 古賀
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