いかなる場合であろうと絶対に留めてはならない釦 ①|京都本店
皆様、ウエイストコート(ヴェスト)の前見頃の釦、一番下に飾り釦があるのをご存知でしょうか?
最近では既製服の流れからか、「シャープさ」を意識してか一番下の釦なしをご注文される方が多くなってきておりますが、伝統を重んじる英国では由緒正しきデザインとして一番下に釦をつける事が当たり前となっております。 いや むしろ一番下に飾り釦が付いていないヴェストは間違いだと言えるかもしれません。
では、なぜ一番下に釦が付いているのでしょうか? なぜ一番下の釦はかけてはいけないのでしょうか?
かつてヴェストがスカートのように膝まであった時代の名残である。
釦を下まで留めていては歩きにくかった為に外していた事が習慣つけられた。という説と、英国の国王エドワード7世が皇太子の頃、うっかりと一番下の釦を留め忘れていたのを見て、家来や庶民が真似をし右にならえをしたのが始まりであると言う説もある。
その為、ヴェストの一番下の釦は「いかなる場合であろうと絶対に留めてはならない釦」となったのである。